
院長の髙橋一久です。河内長野市・富田林市をはじめとする南河内地域の皆さまへ、肥満症専門医が、健康的な減量や食事、運動、生活習慣について、医学的な視点から分かりやすくお伝えします。無理なダイエットではなく、一人ひとりの身体や生活に合った、続けられる健康づくりを一緒に考えていきましょう。
今日のコラムの内容は、ダイエットのコツ(1)です。
ダイエットを始めた方は「できるだけ早く体重を落としたい」と考え、食事を極端に減らしたり、突然激しい運動を始めたりする方が少なくありません。しかし、健康的なダイエットで大切なのは、短期間で大きな結果を求めることではなく、無理なく続けられる方法を選ぶことです。
体脂肪を1kg減らすためには、一般的に約7,000kcalのエネルギー収支が必要とされています。7,000kcalと聞くと非常に大きな数字です。フルマラソンでの消費カロリーが約3000kcalと言われているのと比較すると、大きさがわかってもらえると思います。 ただ、7000kcalを1か月、つまり30日間に分けて考えると、1日あたり約233kcalです。毎日およそ230kcal分、「食事から摂取するエネルギーを減らす」または「身体活動によって消費するエネルギーを増やす」ことができれば、計算上は1か月で約1kgの減量を目指せます。
ただし、この約230kcalをすべて食事だけで減らそうとすると、空腹感が強くなり、長続きしないことがあります。反対に、運動だけで毎日230kcalを消費しようとすると、運動習慣のない方にとっては負担が大きくなります。(230kcalの運動となると、ランニングや水泳を1時間するレベルです。)
そこでおすすめしたいのが、食事と運動を組み合わせる方法です。 例えば、30分程度の散歩によって約80kcalを消費し、食事や間食から約150kcalを減らせば、合計で約230kcalになります。食事の150kcalは、ハンバーガーのおよそ半分や、小さなお菓子、甘い飲み物などに相当することがあります。普段の食事をすべて変えなくても、「間食を少し減らす」「甘い飲み物を無糖のお茶に替える」「ご飯を少しだけ少なくする」といった工夫を積み重ねることで、目標に近づけます。
運動についても、必ずしもジムに通ったり、激しく走ったりする必要はありません。通勤や買い物で歩く距離を増やす、エレベーターではなく階段を使う、食後に10分ずつ歩くなど、日常生活の中で身体を動かす機会を増やすことが大切です。
ダイエットの時に注意したいのが、体重は日々上下に変動するということです。体重は脂肪だけでなく、水分量、便通、食事の時間、塩分摂取量などによって日々変動します。昨日より体重が増えたからといって、すぐに脂肪が増えたとは限りません。毎日の数字に一喜一憂するのではなく、1週間から1か月程度の長い目で体重の変化を確認することが重要です。
急激な減量は、筋肉量の低下や体調不良を招くだけでなく、終了後のリバウンドにもつながりやすくなります。ダイエットを成功させる最大のコツは、特別なことを短期間だけ頑張るのではなく、小さな工夫を生活の一部として続けることです。「毎日完璧にできなければ失敗」ではありません。できる日を少しずつ増やし、無理のないペースで取り組むことが、健康的な減量への近道です。
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髙橋 一久
資格:日本肥満学会認定 肥満症専門医/日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医/日本専門医機構認定 内分泌代謝・糖尿病内科領域指導医/日本内分泌学会 内分泌代謝専門医、指導医/日本甲状腺学会 甲状腺専門医/日本内科学会 内科認定医、指導医
関西医科大学医学部を卒業後、国立国際医療研究センター病院などでの研修を経て、関西医科大学附属病院に勤務。肥満症、糖尿病、甲状腺疾患の診療に携わるとともに、木村 穣先生の指導のもと、減量治療に関する研究に従事した。
2026年に「髙橋内科糖尿病内科 松尾皮膚科」を開院。糖尿病専門医・肥満症専門医として医学的根拠を大切にしながら、患者さん一人ひとりの生活や希望に寄り添い、無理なく続けられる減量治療や生活習慣の改善をともに考える診療を心がけている。



