糖尿病内科
糖尿病内科

糖尿病治療においてもっとも大切なのは「無理なく続けられること」であると考えています。糖尿病治療は短距離走ではありません。完璧な治療を一方的に押し付けるのではなく、患者さまそれぞれの生活に溶け込む形で続けられる計画を、糖尿病専門医が一緒に伴走します。
治療は一人ひとりに合わせたオーダーメイドです。年齢・性別・お仕事や家庭の状況、腎機能や心不全・肝疾患・肥満などの合併症まで丁寧にうかがい、目標値と薬剤選択を個別に最適化します。基本は食事療法・運動療法・薬物療法の三本柱ですが、無理なく続けられるように、日々の生活に落とし込める具体的な方法をご提案します。
また、すべてのタイプの糖尿病に対応します。1型糖尿病・2型糖尿病・妊娠糖尿病・その他(二次性・膵性・MODYなど)まで幅広く診療し、タイプや生活背景に応じて最適な治療をご提案します。低血糖でお困りの方、コントロールが思うようにいかない方も、どうぞご相談ください。専門医が最新の知見と経験を踏まえて、一緒に解決策を見つけていきます。
当院では各種GLP-1受容体作動薬やインスリンの処方に対応しています。また、自己血糖測定器(SMBG)やFreeStyleリブレ2を用いた血糖管理を実施しています。これらに加え、各種デバイスの導入や治療方法を行っており、治療への納得感と継続性を高めていきます。
糖尿病は、他の生活習慣病(高血圧・脂質異常症・高尿酸血症など)を併せ持つことが少なくありません。通院先でHbA1cの数値だけを見て、数値が悪いからと他のご病気と一緒に糖尿病薬がついでに処方され、結果としてお薬の数が増えがちです。
私たちは、同じHbA1cでも「からだの今の状態」や合併症リスクの出方が人それぞれであることを大切に考えます。これまでの検査結果や生活の様子、持病との関係を丁寧に確かめたうえで、複数の選択肢の中から“あなたに合う”治療を一緒に組み立てます。
この10年で治療はめざましく進歩しました。GLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬といった大きな変化に加え、持続血糖測定(CGM)、AI制御を取り入れた最新のインスリン持続投与機器(SAP)など、日進月歩で選択肢が拡大しています。そのぶん医療情報は専門的であり、最新の知見と豊富な診療経験にもとづいた治療の選択、見極めが欠かせません。
当院では「無理なく続けられること」を基本理念に日本糖尿病学会認定の糖尿病専門医が診療にあたります。「薬が多くて不安」「今の治療が自分に合っているか見直したい」――そんな時は、見直しのご相談だけでもお気軽にお越しください。無理なく続けられる計画で、長く安定したコントロールを目指しましょう。
インスリンは人の体内で唯一血糖を下げることができるホルモンです。糖尿病とは、インスリンが不足したり、効きにくくなる(抵抗性)ことにより血糖値が慢性的に高くなる病気です。1型(分泌不足)と2型(抵抗性優位)が主で、放置すると血管の内壁が傷つき動脈硬化(血管が詰まる病気)が進行、神経・腎臓・網膜・心血管などに合併症が進みます。
ほとんどの方は健康診断などで異常を指摘されて受診される場合が多く、基本的に無症状に病状は進みます。ただし、血糖が極端に高い状態が続くと、のどが渇く(口渇)、血糖をうすめるために水分を多くとる(多飲)、水分を多くとったので尿が多く出る(多尿)、血糖の利用障害が起きて体重が減る(体重減少)が生じます。
また病状が進行すると、視力のかすみ、手足のしびれ、立ちくらみなど合併症の症状が出現します。糖尿病の治療は、こうした症状が出る前の早期発見が重要です。
糖尿病の診断は、血糖値とHbA1c(ヘモグロビンA1c)を測定し、高血糖が慢性的に持続しているかを確認して行います。そのため、健康診断では空腹時血糖値とHbA1cを測定し糖尿病の有無を調べることが多いです。健康な方では、血糖値はおおむね空腹時で70~99mg/dL、食後(2時間値)で140mg/dL未満に保たれます。
空腹時血糖値126mg/dl以上、随時血糖値200mg/dl以上 もしくは HbA1c 6.5%以上と指摘された方は、糖尿病型といい糖尿病が強く疑われる状態です。どれか1つでも上記条件に引っかかった場合は、日にちを改めて、血糖値とHbA1cを再検査し、糖尿病かどうか調べます。
空腹時血糖値110‐125mg/dl、もしくはHbA1c5.7-6.4%の方は境界型糖尿病となります。この場合は糖尿病が否定できないため、75gOGTT(経口ブドウ糖負荷試験)による精密検査をうけていただくことが強く推奨されます。
早朝空腹時に75gのブドウ糖が入った炭酸水(トレーランG)を服用し、負荷前、負荷後30分、60分、90分、120分の血糖値とインスリン値を測定します。
また、HbA1cの値にかかわらず、糖尿病の症状である「多尿」や「倦怠感」、「口渇」がある場合や、眼科にて糖尿病網膜症と診断された場合は糖尿病と診断できます。
空腹時血糖値 ≧ 126 mg/dl
OGTT負荷後2時間値 ≧ 200 mg/dl
随時血糖値 ≧ 200 mg/dl
HbA1c 6.5%以上
上記いずれかの条件を満たす
糖尿病では、血糖が高い状態が続くことで血管に負担がかかります。血液の通り道である血管が傷つくと、からだのさまざまな場所で不調が起こりやすくなります。とくに細い血管(毛細血管)は影響を受けやすく、毛細血管が多い目(網膜)・腎臓・手足の神経では、早い段階から変化が現れることがあります。これらは三大合併症(細小血管障害)と呼ばれる糖尿病網膜症・糖尿病腎症・糖尿病神経障害です。
一方で、太い血管(動脈)にも影響が及ぶと、脳梗塞や心筋梗塞など命に関わる病気につながることがあります。合併症は、糖尿病と診断されたその時点から静かに進むことがあるため、早期の対策と定期チェックがとても大切です。
初期は自覚症状がほとんどなく進行します。網膜の毛細血管が傷つくと、視力低下や眼底出血、放置すると視力を大きく損なうこともあります。自覚症状がなくても定期的な眼底検査を受け、良好な血糖コントロールを続けましょう。
腎臓の「糸球体」は毛細血管の集合体で、血液をろ過しています。高血糖が続くと糸球体が傷つき、尿にたんぱくが出る、腎機能が少しずつ下がるなどの変化が起こります。進行すると腎不全となり、透析が必要になることもあります。
末梢神経がダメージを受けると、手足のしびれや痛み、感覚の低下が起こります。痛みに気づきにくくなると、傷ややけどの発見が遅れ、足の潰瘍や感染、重い場合は壊疽(えそ)に至ることもあります。
高血糖は太い血管にも負担をかけ、動脈硬化を進めます。これにより脳梗塞・心筋梗塞・閉塞性動脈硬化症(足の血流障害)などが起こることがあります。血糖だけでなく、血圧・コレステロール・中性脂肪・禁煙など、動脈硬化の総合的なリスク管理が重要です。
感染症(風邪・肺炎・尿路感染・皮膚感染など)、歯周病、皮膚トラブル、足の潰瘍などが生じやすくなります。気になる症状は、早めにご相談ください。