こんにちは、院長の髙橋一久です。河内長野市・富田林市をはじめとする南河内地域の皆さまへ、木曜日は甲状腺専門医として、甲状腺関連についてわかりやすく解説していきたいと思います。
今日のコラムの内容は、「甲状腺のしこり」をテーマに書かさせていただきます。
「健康診断のエコーで甲状腺にしこりがあると言われました」
「たまたま受けたCTで甲状腺に結節があると言われたのですが、がんでしょうか?」
甲状腺外来では、このような相談をよく受けます。
胸のCTにちらっとうつってしまうことが多いため、大学病院で仕事をしていると特に多い相談です。
甲状腺に「しこり」があると聞くと、まずがんを心配される方が多いと思います。
ただ、甲状腺のしこりの多くは良性です。 まずは必要以上に心配せず、どのようなしこりなのかを確認することが大切です。
甲状腺の「しこり」とは?
甲状腺にできるしこりを医学的には「甲状腺結節」と呼びます。
良性の代表には、腺腫様結節や嚢胞などがあります。一方、悪性のものには甲状腺乳頭がん、濾胞がん、髄様がん、未分化がんなどがあります。
日本の診療ガイドラインでは、超音波検査で発見された甲状腺結節のうち、がんである頻度はおよそ2.6~8.3%と報告されています。つまり、しこりが見つかったからといって、それだけでがんというわけではありません。
一番大切なのは甲状腺エコーです
甲状腺のしこりを評価するときに中心となるのが、甲状腺超音波(エコー)検査です。
単に大きさを見るだけではありません。しこりの形、境界、内部の状態、石灰化の有無、血流、周囲のリンパ節などを確認します。
血液検査ではTSHや甲状腺ホルモンなどを調べますが、血液検査だけで良性か悪性かを判断することはできません。
エコーで気になる特徴がある場合や、一定以上の大きさがある場合には、「穿刺吸引細胞診」という検査を行うことがあります。細い針をしこりに刺して細胞を採取し、顕微鏡で調べる検査です。反対に、小さくてエコー上も良性らしい結節であれば、すぐに細胞診をせず、定期的なエコーで経過を見ることもあります。すべてのしこりに針を刺す必要があるわけではありません。
もし甲状腺がんだったら、予後は?
ここも患者さんから非常によく質問されます。
甲状腺がんの中で最も多い「乳頭がん」は、一般的に進行がゆっくりで、適切に診断・治療すれば予後が良好なことが多いがんです。
国立がん研究センターの統計では、甲状腺がん全体の5年相対生存率は94.7%と報告されています。ただし、甲状腺がんにはいくつかの種類があり、病期や年齢によっても予後は異なります。特に未分化がんなど、一部には進行の速いタイプもあります。
また最近では、非常に小さく転移などのない低リスクの乳頭がんについて、すぐに手術をせず定期的に観察する「積極的経過観察」が選択される場合もあります。
こんな場合は早めに受診を
しこりを指摘された場合は一度評価を受けることをおすすめしますが、特に、短期間で首のしこりが大きくなる、声がかすれる、飲み込みにくい、首のリンパ節が腫れているといった症状がある場合には、早めの受診が必要です。
河内長野市の髙橋内科糖尿病内科 松尾皮膚科では、甲状腺疾患について血液検査や甲状腺エコーによる評価を行っています。健診や他の検査で「甲状腺にしこりがある」「甲状腺が腫れている」と指摘された方もご相談ください。
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髙橋 一久
資格:日本肥満学会認定 肥満症専門医/日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医/日本専門医機構認定 内分泌代謝・糖尿病内科領域指導医/日本内分泌学会 内分泌代謝専門医、指導医/日本甲状腺学会 甲状腺専門医/日本内科学会 内科認定医、指導医
関西医科大学医学部を卒業後、国立国際医療研究センター病院などでの研修を経て、関西医科大学附属病院に勤務。肥満症、糖尿病、甲状腺疾患の診療に携わるとともに、木村 穣先生の指導のもと、減量治療に関する研究に従事した。
2026年に「髙橋内科糖尿病内科 松尾皮膚科」を開院。糖尿病専門医・肥満症専門医として医学的根拠を大切にしながら、患者さん一人ひとりの生活や希望に寄り添い、無理なく続けられる減量治療や生活習慣の改善をともに考える診療を心がけている。



